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経営について考える その2 [経営について]

 我々税理士がお客様にそして潜在顧客へのアプロ-チとして用いるキ-ワ-ドは時代とともに変遷してきました。
以前は法人税では、会社設立の最大のメリットを節税に置き、個人事業からの法人成りを強く勧めてきました。
 私が会計事務所に就職した昭和50年代は、高度経済成長の波に最も乗っていた時代であり、節税目的を主眼とした法人設立が相次ぎました。
 私も月次監査の時、得意先の社長に会社設立の理由を尋ねた際、一番多かった答えが「節税」でした。失礼ながら個人企業と同様でありながら、法人組織を採用することによって、税法での有利な側面を最大限に享受していたのです。そして会社設立の最大の目的は、会社組織を上手に活用して、最終的に個人資産の充実を図ることでした。 
 逆に業務の拡大、会社の業績拡大を目指す、といういわば会社設立の本来の目的で会社を設立した顧問先の方が圧倒的に少なかったのは意外でした。
 個人資産の蓄積そして充実自体を私は全く否定するつもりはありませんが、それが会社設立の本来の目的と言われると大変戸惑ってしまいました。
 平成18年4月1日より新会社法が施行され、最低資本金制度が全面的に見直され、資本金1円から会社が設立できるようになりました。その趣旨は言うまでもなく起業化の促進です。
 しかし国税庁は前にも触れましたように、会社設立がやりやすくなった一方で、節税目的に重点を置いた会社の設立を極力排除しようという趣旨で、あの同族会社の役員報酬の一部損金不算入制度をぶつけてきました。
 この不景気というか超低成長の時代、会社の存続が非常に厳しくなっている昨今、会社設立の主な動機は、節税ではなくなってきています。これは大変喜ばしい傾向です。
 本当の起業家が、自らの信念に基づいて会社を設立し、会社の業績拡大を図る。それを我々税理士が経営計画書策定のお手伝い、資金繰り表の作成など主に財務面で会社の安定的な成長のバックアップをしていく、これが本来あるべき経営の姿ではないかと思うのです。
 会社の安定的な成長のためには当然黒字経営を続けていくことが必須です。そしてもうひとつの重要な要素は経営基盤の安定です。ということは安定した株主の下、揺さぶられない経営基盤でなければなりません。
 この辺りが同族経営を罪悪視する税法に疑問を感じるところなのです。
会社経営が一段と難しくなり、そのかじ取りが厳しくなっている今の状況では、節税を主眼とする会社は一部を除いて生き残れなくなっている時代だからこそ、同族経営でなければならない、と私は思うのです。
 だって最終的に頼りになるのは他人ではなく身内でしょう。
確かに経済学では、資本と経営の分離を学びますし、それが資本主義の根幹だということも分かります。
 しかし現実はどうか?一部の大手企業を除いて大半の中小、零細企業は日々の経営で四苦八苦の状態です。
この上、会社の資本構成をオ-プンにし、投機的な目的による株主を入れたらどうなりますか?
 やれ少し儲かっているから配当をしろだの、やれ経営者のやり方に問題があるなど、株主対策で頭を悩まされ、とても100%前を向いて経営に没頭できなくなるのではないでしょうか?
 私も課税当局の意図している、会社内部でのチェック機能、すなわち内部牽制システムを構築させたい気持ちも十分分かります。しかしこの生きるか死ぬかの厳しい時代に、あまり同族色を薄めようとするとかえって中小、零細企業の体力を衰えさせることになりはしないか、とても心配です。
 そういう意味から、同族会社をタ-ゲットにした各種税制改正に難色を示しているのです。
時代が高度経済成長下にあり、多くの企業がわが世の春を満喫し浮かれているのなら、いくらでも厳しく規制すればよいと思いますが、やっとのことで耐え忍んでいる中小、零細企業を今このタイミングで痛めつける必要もないのではないでしょうか。
 それよりも私が前にも触れましたが、今こそ北風ではなく、太陽の政策をとっていただきたい。
そして企業が活力を持って安定的に成長してゆけるよう、国ももっと強力にバックアップする政策を打ち出して欲しいと切望しています。
 少なくとも税理士は、節税を主眼とした助言から安定成長へのお手伝いに、その力点をシフトしています。
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経営について考える その1 [経営について]

 このところ趣味それもバイクの話ばかりでしたので、今回は経営分析と資金繰りについて思うことを述べたいと思います。
 私が会計義務所に入所したのが25歳の時でしたから、この業界に足を踏み入れて早27年つまり四半世紀にもなるのですね。早いものです。
 まあそれはともかく、私が中小企業の経営者に接して一番驚いたことは皆さん何だと思います?
それは数字に対する勘です。
 我々が遅れ遅れで試算表を社長に見せる前に、社長は自社の利益をおおざっぱに把握しているのです。儲かっている会社は例外なく、またそれほど利益は出ていなくても堅実な経営をしている会社も殆どがそうです。
 新人の数年間はそのことが実に不思議でしたが、考えてみれば当たり前ですよね。社長が自社の経営状態を大まかにでも把握していなければ、日々の経営などやっていける訳がないのですから。
 ただなかなか分からないのは、社長はどこまで自社の実態を把握しているのだろうか、ということではないでしょうか?
 どの位の売上があれば自社はやっていけるか、どの程度の利益率があるのだろうか、毎月どの程度の資金があれば自社の資金繰りはヤリクリできるのか、少なくとも以上の3項目はどの社長も把握しているようです。
では把握していないことは何か?
 会計事務所の職員なら必ず聞かれる質問は次のような内容ではありませんか?
「儲かっているとおたくらは言うけど、金がないんだよな。毎月ヒ-ヒ-言っているよ。」
或いは「利益が出ているから、この際借金を返済しようと思うんだ。どうだね?」
 皆さんはこれらの問いに対してどうお答えになっています?まあ各人それぞれでしょうが、ひとつ言えることは、これらの質問が出るということは、収支と損益との区別がされていない、というか頭の中ではごちゃごちゃになっている、ということです。
 だとすれば我々が提供できるサ-ビスは何か?

 それは第一に損益と収支を区分する表を作成し、社長の頭の中をスッキリさせてあげることです。

 次にそれを発展させて損益計算書と貸借対照表との関係を分かりやすく説明してさしあげることです。

 経営者の多くが経営を収支ベースで考えているのに対し、損益との関係が今一つわかっていない。あるいはまれですが逆に損益ベースで経営を考えている社長は、収支についてはからっきし弱い方が多いです。
 ですから収支と損益との関係が正しく認識、理解されている経営者はむしろ少ないというのが私の実感です。
逆にということは、我々会計事務所も自分たちのお客様に十分に説明してきていないのが事実ではないでしょうか?
 数年前に大ベストセラ-になった書籍「裏帳簿のススメ」は、その骨子は個人の帳簿と会社の帳簿とを合算して収支を考えていこうとするもので、多くの同族経営の中小企業にとって必須の視点です。この書籍は収支が第一であり、そのためには利益の出る正しい経営をしていきなさい、と説いた本で、その内容は収支の切り口から経営のあり方を説いた、タイトルとは裏腹に極めてオーソドックスなものです。
 現在の会計事務所としてのサ-ビスの潮流は、節税ではなく収支が成り立つように指導していくことです。
つまり会社を継続していくには当然毎月の資金繰りが最重要である。法人税をはじめとする各種税金も会社が存続していくためのコストとして捉え、当然資金繰りの中に織り込んでいく。だとすれば当然利益を出して行かなければ継続的な経営はできない。
 あまりうまく説明できませんが収支面から出発して損益に切り込んでいく手法を採っています。
経営計画をはじめとする各MAS業務は、多少切り口が違ってもこのような手法で会社の経営者の意識改善、ひいては会社全体の意識改善、共通目標の設定を目指すものです
 このような流れになったのも、今は業界全体が潤うというような平和な時代ではなく、各経営者の経営感覚がより厳しく問われるようになった、つまり経営により厳しくなければ生き残れない生き残りレ-スの時代に突入したという時代背景の他に、
法人税が大変細かく整備され、前にも私が触れた同族会社役員報酬への規制や何度も繰り返される高節税を謳った生命保険商品への規制、各種引当金の撤廃や規制による内部留保の排除を促す諸規定の整備など節税と名がつく項目が殆ど潰されてしまったことも大きく影響しています。
 かくいう私の事務所でも、当然永続的な経営を目指す経営者をお手伝いすべく、収支の側面から説明し、結果として黒字経営の必要性を強く訴えています。
 これが本来の姿でして、節税の前にまず利益を出すこと。結果として利益が出た時に合法的な範囲での現実的な節税を考える。
 法人税等を支払わないスタンスでは経営自体が大きくなりませんので、それよりも如何に利益、売上を上げて頂くか経営者にその方面にご自分の力を傾注していただきたいと思っています。

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