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広大地についての考察 ブログトップ

広大地に関する考察 その7 [広大地についての考察]

 「最有効使用の原則」とは、不動産鑑定評価基準では次のように述べています。
 不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用すなわち最有効使用を前提として把握される価格を標準として形成される。
 この場合の最有効使用は、現実の社会経済情勢の下で客観的に見て、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものである。
 なお、ある不動産についての現実の使用方法は、必ずしも最有効使用に基づいているものではなく、不合理な又は個人的な事情による使用方法のために、当該不動産が十分な効用を発揮していない場合があることに留意すべきである。
 この基準の解釈によれば、大半の広大地について経済的に最も合理的であると認められる開発行為は、マンション用地か戸建分譲用地が適しているという結論になります。

 しかし不動産鑑定基準の後段にも述べている、主に地主の方々が所有して広い自宅の敷地または地主の方々が自身の財産保全を図るべく、賃貸アパ-トや中高層賃貸マンションを建てている現状もあるのでして、それらの敷地をどう判断するか迷うことが多々あります。
 つまりそれらの宅地が、現に有効利用している宅地になるのか、という疑問です。

 これについては、地主の方々は先代からの相続により土地を古くから、といいますか無償あるいは非常に安い価格で取得しており、不動産賃貸事業としては、賃貸アパ-トあるいは中高層賃貸マンションの建築資金のみが設備投資資金であり、一般の人から見れば土地をあらかじめ取得している分だけ有利な事業です。
 普通、事業というのは、何もない状態からそこに資金を投入して事業を興すのですが、地主の方々の不動産賃貸事業の場合、あらかじめ下駄をはかせてもらった状態での事業ということですから、大変にその後の収支及び運営は楽になります。
 従ってこういう土地を、不動産鑑定評価基準による最有効使用の原則から考えるとすれば、一般経済人の合理性から 見て、その広大な土地を購入し、その上に賃貸アパ-トあるいは中高層マンションを建てて賃貸する不動産賃貸事業が事業として成り立ちうるのかどうか、ということです。 、
 おそらく殆どの土地において、事業として成り立たないでしょう。
 だとすれば、賃貸アパ-トまたは中高層賃貸マンションが建っている敷地においても、それがマンション適地でない限り、広大地の通達を適用することが可能ということになります。
 最有効使用の原則から推していけば、当然そういう結論になるのですが、しかし現実に賃貸アパ-トまたは中高層賃貸マンションが建っているという現実を無視してよいのか、はたと迷ってしまうのです。
 二階までの高度利用しかしていない賃貸アパ-トについては、最有効使用とはいえないと思うのですが、中高層賃貸マンション用地については、土地を購入してまでペイしない事業ではあっても、現に有効利用されている敷地に見えないこともないので、この辺の判断は大変に難しく、自分の頭の中では残念ながら未だにきちっと整理できておりません。

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広大地に関する考察 その6 [広大地についての考察]

 広大地に関する研修は、財産評価基本通達24-4が発表されてからもう5年近くになりますが未だにその解釈を巡って度々開かれています。
 これ一つ採ってみても、如何にこの通達の取扱いが難解であるかがお分かりだと思います。
 普通1~2年間は法律や通達改正があると、それをテ-マとした研修は頻繁に開かれるのですが、広大地のように5年近く経った今でも研修がさかんに開かれるというケ-スは、私は他には知りません。
 その理由は、課税庁自身もこの通達の取扱いについてたびたび情報を公開し、その処理の統一を図るべく苦慮していること、そして判例でも納税者有利の判決が出たり、その後にそれほど日を置かない判決では、税務署の主張が認められる判決が出たりと、今でもその方向性が定まっていないことにあると思われます。
 事実国税庁は平成16年6月4日付でこの通達を発表したすぐ後であるにもかかわらず、、その通達を補足すべく、同年6月29日付で資産評価企画官情報を発表しました。
 さらに平成17年6月17日付で、さらに資産評価企画官情報を公開しました。
 私も、この広大地に関する研修はもう10回以上受講したでしょうか。
 それでも未だに分からない、というかどちらか判断に迷う事例は後を絶ちません。
 普通何回か研修を受講し、その後実例を何度か経験すれば、何とかその法律、通達については征服できるのですが、この広大地については奥が深いというか、やればやるほど一つの疑問が解決したかと思えばまた別の疑問が湧いてきて、もうこれでこの通達については完璧だ、と言い切ることができません。
 
 最近は広大地については、「最有効使用の原則」という観点から、各土地についての最も経済合理性に合った使用とは何か、を考えるようにしています。
 
 ところがこの「最有効使用の原則」というのがまた曲者でして、一体誰からみた最有効使用なのか、最有効使用とは土地が最も有効に活用されることを意味するが、それは逆な見方をすれば、土地がどういう形であれば一番高く売れるかと同し゛意味と解釈してよいかなど疑問があります。
 広大地に関する資産評価企画官情報には、他にも一見分かりやすそうで、よく考えるとよく分からない言い回しがいくつかあります。
 「明らかにマンション適地と認められる土地を除き...」とか、「現に宅地として有効利用されている建築物等の敷地....」などです。


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広大地に関する考察 その5 [広大地についての考察]

 ただ時価の考え方自体もいろいろあって、不動産鑑定士であってもなかなか統一した時価を算定できないようですが、それ位土地の評価は個別性が強く、それだけ適正な評価は難しいと言われます。
 広大地の可否の判定はまさにそれで、土地評価のブロである不動産鑑定士をもってしても、可否判定に迷うケ-スが多々あるようです。
 その位判定の難しい広大地の可否判定を、本来税法が専門業務である税理士がやらなければならないのですから、その戸惑いは推して知るべしでしょう。
 ですから私も自分の知識だけでは、到底判断の下せない事案については、不動産業者の意見、不動産鑑定士の意見を十分に聞きながら最終的な判断をしています。
 そして、戸建分譲用の方がマンション用地よりもより適地であること、そして旗竿地、路地状開発よりも位置指定道路新設による開発の方が、最有効使用であることを説明する資料を相続税申告書に必ず添付します。
 それでも実際に相続税の申告をしてみなければ、税務署がどういう判断を下すのか分からないのですから、大変に神経を使います。
 ですから広大地通達は、納税者有利の通達とは言われますが、運用面にあたっては細心の注意を払い、不動産に関する知識を総動員して、さらに判例の動向なども注視していかなければならないので、まさに税理士泣かせの通達と言えるのではないでしょうか。
 事実裁決例でも納税者有利の判決が出たかと思えば、次の裁決例では税務署有利の判決が出たなど、目まぐるしく変わっていますので、今後も判例の動向には目が離せません。



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広大地に関する考察 その4 [広大地についての考察]

 広大地通達は計算式そのものは単純でも、その適否の判断が前述のように大変難解で、われわれ税理士の間でも大いに頭を悩ましています。
 われわれ税理士は税法についてのプロと呼ばれる立場ですが、この広大地通達の適否については、税法の前に不動産に関する知識を要求されます。
 私は昭和62年に税理士試験に合格してからすぐに、宅地建物取引主任者に試験にチャレンジし、昭和63年に無事試験に合格し、取引主任者として登録しています。
 何故ならこれから資産税業務を扱うにあたっては、不動産に関する最低限の知識を要求され、そのためには宅地建物取引主任者の試験科目は、不動産の知識を得るのに最適と判断したからです。
 特に建築基準法に関する知識は、今でも頻繁に実務をやる上で出てきますので、大いに役に立っています。
 しかし宅地建物取引主任者の資格は、私からすれば資産税業務を行う上での最低限の知識を得るにすぎず、あとはOJTで、不動産の売却、不動産の活用、広大地の適否など実務で様々なケ-スに出会うことによって、不動産業者、測量士、土地家屋調査士、不動産鑑定士の方々に教えてもらって知識を深めていく以外にありません。
 実は宅地建物取引主任者の合格の後、不動産鑑定士試験を目指そうとしたのですが、試験が難解ですので、とても仕事をしながら(特にその時はI税理士事務所の副所長として、慣れない仕事に四苦八苦していました。)の合い間を縫っての勉強というわけにもいかなかったので、テキストは揃えたのですが、結局断念しました。
 なかには、税理士でも不動産鑑定士の資格を持ちれている方もいらっしゃいますが、とても羨ましく思います。
不動産鑑定士こそ土地評価のプロであり、毎年国税庁が発表する路線価や市区町村の発表する固定資産税の路線価、国の発表する公示価格、都道府県の発表する基準価格などは、全て不動産鑑定士が価格評価をしているのです。
 ですから不動産鑑定士の資格を持っていれば、まさに鬼に金棒なのです。だって例えば広大地の適否を判断する要素も不動産評価のプロとして、税理士よりも税務署の職員よりもはるかに詳しく判定できるからです。
 またそれぞれの土地の持つ個別性を土地の評価に十分に反映させることができるので、財産評価基本通達によって評価した土地の相続税評価額が、時価を超えていないかをチェックすることも簡単にできます。


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広大地に関する考察 その3 [広大地についての考察]

 尤も、広大地について思い切った減額割合を規定した理由には、この規定が、財産評価通達15~20-5までの規定に代えて適用されることにもあります。、
 つまり奥行価格補正や不整形地補正、無道路地、がけ地などの様々な補正(簡単に言えば、使い勝手の悪い土地について、その悪い度合いに応じて、評価を減額していく要素です)は、広大地との選択適用になっていますので、逆に言えば広大地補正を使うと、これらの補正要素は使えないということです。
 さらに広大地は宅地に対する評価の減額要素ですが、市街地農地や市街地山林といった宅地に転用するには造成費がかかる農地、山林についても、広大地補正率の中に宅地造成費は織り込み済みであるとして、重複適用することはできない、ということです。
 ですから、思い切った減額割合を採った広大地補正率の方が、さまざまな減額要素を組み合わせて土地を評価するやり方よりも土地の評価額が低くなり、納税者にとって有利になるケ-スが圧倒的に多いと思われますが、
他方、同じ面積で広大地がとれる土地が二つあったとして、片方は平坦な宅地、片や起伏、傾斜がの激しく、また接している道路幅も狭い市街地山林であっても、広大地補正率を適用する限り、両土地の評価額は同一というおかしな結果が出てしまいます。
 
 結局計算の簡便性、評価の統一性を目指した結果、あまりにも多くの軽減要素を一つの通達に詰め込みすぎたので、かえって土地の個別性が損なわれてしまったのです。
 これで評価の公平性、課税の公平性が保たれていると言えるのでしょうか。
 広大地はそれでなくても文字どおり広大な土地であり、1㎡あたりの評価額が違えば全体の土地評価額も数百万いや数千万円変わってきます。当然その結果相続税額も数百万円から数千万円変わってくるのです。

 評価の世界は絶対値がなく、人によって評価がマチマチであり、それを何とか評価を統一させようと国税庁も苦慮されているのは分かりますが、あまりにも思い切った割り切りに実務家として、ビックリしています。
 それでもこの財産評価基本通達24ー4が規定されている以上、これを適用できるならば、当然適用の可否を判断し、合法的範囲内で少しでも納税者有利の姿勢で実務処理することは、税理士に与えられた当然の職責ですので、粛々として今後とも実務に邁進してゆく所存です。、

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広大地に関する考察 その2 [広大地についての考察]

 広大地に対する評価の減額については、平成15年までは開発想定図面などを相続税の申告書の添付資料として税務署に添付して、個別に潰れ地の面積を算定し、その潰れ地の部分だけ評価を下げるという方法を採ってきました。
 しかしこのやり方ですと、不動産鑑定士や測量士、土地開発業者等に依頼し、開発想定図面を作成できるお金のある方と、そうでない方とで評価に差が生じてしまうこともありますし、また人によって開発想定図面の引き方もマチマチであって、評価額を下げたいがために、位置指定道路部分の面積を増やす納税者もいることから、評価の公平性及び課税の公平性が保てないことを理由に、国税庁では平成16年1月1日以降の相続から、広大地に対する評価の方法を統一しました。
 すなわち、財産評価基本通達24-4を新設し、広大地の評価計算方法を明確にしました。

 これはこれで大進歩と言いたいところですが、ここからまた別の懸案事項が出てきました。
それは、広大地に該当するかどうかの可否判断であります。

 この24-4の通達での算式は、非常に減額割合が高く、今までの開発想定図面での減額割合よりもはるかに減額割合が高くなっています。ということはそれだけ納税者有利ともなっているわけです。
 当初この通達でできた時には、物納を排除するためとも言われました。
 と言いますのは、相続税を現金ではなく土地で納付する場合、つまり物納の場合、その収納価額というのは、相続税申告にあたってその物納対象土地を評価した価額です。
 ということは、広大地について思い切って評価額を下げることによって相続税は下がる、これは納税者有利であるけれども、この広大地を物納しようとする場合には、その土地の収納価額も相当下がっていますから、広大地で納税しようとする納税者にとっては大変に不利になります。
 物納については、平成18年1月1日以降の相続から、物納要件が大変厳しくなったこともあり、この広大地規定と相俟って、大変に狭き門となってしまいました。

 いずれにせよ、評通24-4の広大地評価の規定は当初から、税理士の間でもその取扱い、課税当局の考え方等について大分波紋を呼んだ規定でした。
 何故なら減額割合が他の評価通達のそれらに比べて高すぎる。
いくら割り切りと言っても最大65%まで評価を下げる規定は、他の財産評価基本通達でも見当たらない。
 だから余計にこの規定が適用できるか否かによって、それこそ評価額ひいては相続税額に雲泥の差が出てしまう、取り扱いが大変に怖い規定となってしまったのです。

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広大地に関する考察 その1 [広大地についての考察]

 相続税の評価は何度やっても良くわかりませんね。やればやるほど疑問が湧いてきて。
 特に分からないのが、広大地の適否です。
 広大地について評価を減額する根拠は、利用上のロスつまり潰れ地が生ずるからです。
 そもそも広大地とは、周りの宅地の標準的使用面積に比べて著しく広大な土地を言います。
 ですから、広大地を利用しやすいように、標準的使用面積になるように、いくつかに区画割りをする必要が出てきます。
 ただ土地は羊羹のようにスパッ、スパッと切れば良いといったものではなく、必ず建築基準法上の道路に2メートル以上接していなければなりません。何故なら区画割りされた土地の中に、道路に接していない土地があれば、その土地は無道路地あるいは接道義務を十分に果たしていない土地として、建物が建てられない土地になってしまうからです。
 土地(ここでいう土地は宅地のことを意味します)は、建物が建てられて初めて価値がある、市場価値が出てくるのでして、建物が建てられなければ意味がない、市場価値のない土地となってしまいます。
 従ってどうしても奥行きのある土地の中の、奥が深い土地には新設道路、つまり位置指定道路といって開発業者が自費で道路を新設し、これを建築基準法上の道路と認めてもらうことによって、接道義務を果たす必要が出てくるわけです。
 ここで問題になるのが2つあります。
 一つは、広大地であっても、用途地域の指定で容積率が200%以上であるような土地、つまり高度利用が可能な土地は、土地を周辺の標準的面積に区切のたうえで戸建用地として分譲するよりも、マンションを建てるのにより適した土地ではないか、という選択肢で出てきます。
 広大な土地にマンションを建てれば、潰れ地、つまり新設道路の開設の必要はありませんから、土地をまるまる利用することができ、土地のより有効利用が可能となります。(尤もマンションを建てようとする場合には、ゴミ集積所の設置をそのマンション用地の中で求められるほか、マンションの規模によっては公園の設置及び提供を求められることもあり、100%広大地をマンション用地として利用できるわけではありませんが。)
 もう一つはその広大地がマンション用地よりも戸建利用により適した用地であったとしても、その広大地に前述した位置指定道路を入れるのではなく、旗竿地として区画割りすることができるのではないか、という疑問です。
旗竿地の奥まった宅地において接道義務を果たすべく、道路に対して最低2メートルの間口つまり開口部をとり、その最低幅2メ-トルの細い路地を通って自宅の玄関にたどり着くという敷地で、旗竿地を別名路地状敷地と呼んでいます。


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